アルカリイオン水・還元水における最新の論文

これらは2022年〜2025年に発表された比較的新しい研究です。それぞれ、酸化ストレスや炎症、糖代謝、腎機能やQOL改善に関する知見を示しています。

論文名(英語):Anti Oxidative and Anti Diabetic Effects of Electrolyzed Weakly Alkaline Reduced Water on Renal Proximal Tubular Epithelial Cells

  • 論文名(日本語):電解弱アルカリ還元水の腎近位尿細管上皮細胞における抗酸化および抗糖尿効果
  • 概要: “EARW(pH 8.5)は高グルコース負荷によるHK 2細胞の酸化ストレス(ROS, NO)、アポトーシス(caspase 3)、炎症マーカー(IL 1β, IL 6, p STAT1/3)を有意に抑制し、GPxおよびATP含量を増加させて細胞代謝を改善し、糖尿病性腎障害の細胞モデルにおいて保護作用を示した。”
  • 掲載サイト名:MDPI Processeサイト  PDF
  • 論文掲載日:2022年10月(Volume 10, article 2025)

 論文名(英語):Impact of Alkaline Ionized Water on Improving Selected Outcomes among Hemodialysis Patients

    • 論文名(日本語):透析患者におけるアルカリイオン水摂取が臨床および生活の質に及ぼす影
    • 概要: エジプトで行われた二重盲検RCTにおいて、3ヶ月間アルカリイオン水を摂取した透析者群は、臨床バイオマーカー(尿素・クレアチニン・ナトリウム等)およびKDQOL SFによる生活の質スコアが有意に改善した。
    • 掲載サイト名:Egyptian Journal of Health Care(2025年6月号)
    • サイト:こちらから
    •  論文掲載日:2025年6月

過去に注目された「アルカリイオン水/電解還元水」に関する代表的な論文・研究

信頼性が高く、臨床研究や学術レビューの観点からも有名なものです。

Daily ingestion of alkaline electrolyzed water containing hydrogen improves health and exercise capacity
水素含有アルカリ電解水の毎日の摂取が健康と運動能力を改善
概要:健康な成人を対象とした二重盲検RCTにより、AEWを500 mL/日4週間摂取することで、睡眠の質や疲労回復、自覚的な健康状態が改善された。
“Daily ingestion of alkaline electrolyzed water containing hydrogen ”

Effect of electrolyzed high‑pH alkaline water on blood viscosity in healthy adults
高pH電解アルカリ水が健康成人の血液粘度に及ぼす影響概要:運動後の脱水後にAEWを再水分補給として飲用した群では、高剪断血液粘度が有意に低下した(6.30 % vs. 3.36 %)”Effect of electrolyzed high-pH alkaline water on blood viscosity in

Clinical effect and mechanism of alkaline reduced water
アルカリ還元水の臨床効果とその作用機構
概要:韓国・日本での研究により、AIW/ARWが慢性下痢、消化不良、浮腫などの改善に寄与し、ROS除去や脂肪蓄積抑制などが示唆された。
“Clinical effect and mechanism of alkaline reduced water”

Effects of Alkaline‑Reduced Water on Gastrointestinal Diseases
アルカリ還元水が胃腸疾患に与える影響
概要:AIW/ARWの臨床試験・動物モデル研究により、慢性下痢、過剰発酵、IBS/IBD症状の緩和、抗炎症作用(IL‑6, pSTAT3抑制など)が報告された。
“Effects of Alkaline-Reduced Water on Gastrointestinal Diseases”

Advanced research on the health benefit of reduced water
還元水の健康効果に関する先進的研究
概要:還元水が糖尿病、がん、動脈硬化など酸化ストレス関連疾患に対して予防・改善の可能性を持つとしたレビュー記事。”Advanced research on the health benefit of reduced water”

The Search for the Elixir of Life: On the Therapeutic Potential of Alkaline Reduced Water in Metabolic Syndromes
不老不死の秘薬を求めて:代謝症候群に対するアルカリ還元水の治療可能性
概要:メタボや糖尿病、肥満に対するARWの作用を整理したレビュー。腸内環境の改善、SCFA産生の変化、抗酸化作用などが言及された。”Electrolyzed–Reduced Water: Review II: Safety Concerns and”

Electrolyzed–Reduced Water: Review II: Safety Concerns and Effectiveness as a Source of Hydrogen Water
電解還元水レビュー II:安全性と水素水としての有効性
概要:AEW/ERWの安全性・潜在的リスク(動物モデルでの組織障害報告)とともに、水素水としての抗酸化効果を検討した総説。”Associations of alkaline water with metabolic risks, sleep quality …”

Associations of alkaline water with metabolic risks, sleep quality, muscle strength: A cross‑sectional study among postmenopausal women
閉経後女性を対象としたアルカリ水の代謝リスク、睡眠、筋力との関連性に関する横断研究
概要:ポストメノポーズ女性でのアルカリ水摂取と代謝指標や睡眠、筋力との関連を探索した横断研究

Health Benefits of Alkaline Water (News‑Medical review article)
アルカリ水の健康効果
概要:アルカリイオン水の動物および臨床試験において、血糖・コレステロール低下、活性酸素抑制、メラミン排泄促進、皮膚保護など複数の効果を整理・総括した記事

補足資料:
アルカリイオン水は胃に入ると通常の胃酸(pH1〜2)によって中和されるため、「体全体にアルカリ性が及ぶ」との主張には科学的な根拠が乏しいとされます。しかし、近年の研究結果に見られるような「生理学的効果」が報告される理由として、以下のような可能性が考えられています。
  • 水素(H₂)の抗酸化作用
    多くの還元水(特に電解水)は分子状水素(H₂)を含んでおり、これは胃酸では消失せず、腸から吸収される可能性があります。水素は体内で活性酸素を除去する働きがあり、抗酸化作用の根拠とされます。
  • 胃を通過後のpH影響
    胃である程度中和されるとはいえ、電解還元水の微細なpH変化が腸などの局所環境に影響を与える可能性も考慮されています。特に十二指腸や小腸でのpH環境の変化が、酵素活性や吸収に間接的な影響を及ぼすことがあります。
  • 水の構造や溶存鉱物の作用
    電解処理により生成された水は、微細なクラスター構造やミネラル成分(Ca²⁺, Mg²⁺)の形態変化を含むことがあり、これらが細胞膜透過性や代謝調節に関与するという仮説もあります。
  • 腸内細菌叢への影響
    一部の研究では、アルカリ還元水が腸内細菌叢のバランスを改善し、全身的な抗炎症効果を持つ可能性が指摘されています。これは胃酸とは無関係な腸内レベルでの作用です。
結論:
アルカリイオン水の「pHそのもの」ではなく、水素・ミネラル・構造変化など、複合的な要因が健康効果を説明するカギと考えられています。胃での中和は避けられませんが、その後の腸管吸収・細胞応答のステージで有益な影響を持つ可能性があるため、論文のような効果が観察されると考えられています。

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